ー選ぶ基準は銘柄と値段?ここをチエック!ー
新潟コシヒカリは美味しいお米の代名詞ですが、いろんなところで売られていて値段もマチマチ。量販店なんかで買えば、かなり格安に手に入れることもできますね。
しかし・・・
こんな経験はありませんか? 同じ産地、銘柄なのに味が違う。美味しく炊けない
まずは、この原因から・・・。
炊き方や炊飯器の問題であれば仕方ないのですが、ここでは産地、銘柄が同じなのに…
なぜ味が違うかを説明します。
①粒揃いのお米は流通プロセスを知ると賢く買える!
粒が揃っていて色ツヤが良いお米が美味しいお米の大前提。もちろん、白米などは精米時期も重要な要素です。
この、粒揃いという点がまず最初のチエックポイント。
稲作農家の方なら良くご存知ですが、この粒揃いの裏側では、出荷からお米屋さんに並ぶまでの流通プロセスが大きく関わってきます。
お米は農家で収穫され、通常、玄米の段階まで精米されます。この段階のお米が生産者指定米となります。中には直接市場に流通されるお米もあります(このお米については後述します)が、収穫したばかりのお米の粒はバラバラになっている状態です。大きな粒もあれば、小さな粒もあります。
次に、各農家で収穫されたお米は、カントリーと言われる地区ごとの農家のグループに納められます。
ここでJA(農協)が登場。JAは玄米の状態で、同一品種のサイズが、1.8ミリ~2ミリまでのものだけを引き取り、地域のJAでは、地域限定のお米と品種限定のお米とに分けて出荷するそうです。
地域限定のお米は、食味ランク特Aなどの地域限定米や、同じ地区の他のカントリーから出荷された同一品種のお米と混ぜられ市場に出回ることになるそうです。
②JAが引き取らなかったお米はどうなるのか?
引き取られなかったお米は、農家で食べるためだけなら市場に出回ることもないのですが、生産者直売のお米として販売されていたり、他の産地のお米と混ぜられて出荷されたり等、色々なルートを辿ることになります。
③混ぜられたお米って?
冒頭で、新潟コシヒカリを例に挙げました。ちなみに、新潟コシヒカリの特A地区は現在、魚沼、岩船、佐渡(三大コシヒカリと呼ばれています)。新潟全般で栽培されているコシヒカリは、例えば、中越や上越などで栽培されているコシヒカリと混ぜられて、新潟コシヒカリとなって市場に出回ることになり、新潟コシヒカリという名前を冠しているだけで、その中身は県内の産地もバラバラのため、単一とは当然味も違うということが起こります。
量販店などで、目を疑うほどの安いお米はこのような流通経路で販売されている場合もあるようです。
また、食堂などでライス無料とか食べ放題とかで提供されているお米は、粒の大きさや産地も品種もバラバラのお米をかき集めたブレンド米が多くあり、なかには市場に出回らない低品質のものがあるのも事実です。
ー値段だけではない!品質の高いお米の選び方ー
お米の種類は現在300種類弱。この品種や産地毎に「匠」と呼ばれる農家さんが大抵のお米栽培地区にはいます。
最高品質の生産者指定米は、独自の自主流通米として高値で取引されていたりします。縁もゆかりもない私たちには、このお米を手に入れるためには、契約農家のお米を直接買い付けているお米屋さんなどで入手するしかありません。このようなお米は、JAに出荷される前の段階で、まず優先的に契約先へ取引量だけが出荷されて、人気のあるお米の中には、むしろJAに回る量が少ないケースもあります。
お米の品質と値段はある程度比例してはいますが、この出荷量が少ないものついては、ストレートに価格に跳ね返ってしまいます。 反対に、匠が作ったお米であっても、カントリーに出荷されてしまえば、その地域の同一品種と混ぜられ、一定基準の条件をクリアしたお米がJAなどを経由して出回りますので、そういった点では価格=品質とも一概には言い切れないのかもしれません。
ー食味ランキング特Aとは?ー
毎年新米の出荷が一段落した後、食味ランキングが発表されます。 このランキングは、品種と産地によって格付けされており、昨年については300種の品種のうち40種程度が特A認定されました。
例えば、昨年の話ですと、魚沼地区のコシヒカリは特Aですが、コシヒカリ以外の品種があった場合は魚沼産でも特Aではありません。
また、魚沼地区は特Aですが、特A評価されていない新潟地区のコシヒカリもあります。更に粒の大きさも特A地区であっても粒が揃っていない場合もあり得ます。
お米の袋に特Aと表示されているお米や、特定地区の表示があるお米は産地限定の証となりますので、私たち買う側としてはお米を購入する際は、粒の揃い具合を重点的に確認することをオススメします。
また、JAなどは、規定サイズしか引き取らないということで、産地指定の品質指標にもなるわけです。
ー産地限定米と生産者直売米の怖~い話ー
例えば、JAが引き取らなかった粒の小さい特A地区のお米があったとします。このお米も実は特A地区のお米(不良米がない前提)です。
このようなお米は、ほとんどが同一品種と混ぜられて出荷されていることが多いのですが、単体でも、産地限定米として店頭に並んでしまえばわかりません。 また、生産者直売のお米も不揃いのお米を処分販売しているケースもあります。
直接農家から取り寄せる場合は、一度食べてみないと本当に良いお米かどうかもわかりませんが、お米も自然の恵みです。毎年最高の品質を維持するのは非常に難しいので、特Aを連続受賞したお米や匠が直接出荷しているお米の実績から考えれば、まず間違いないと考えるのが妥当です。
ー新米で特A・・・?ー
12月までに縦に長い日本列島で新米の収穫が終了すると、翌年の2月にその中からランキングが発表されます。 発表と同時に収穫出荷されているお米であれば新米といえるのですが、暖かい地区から順に新米が6月下旬には収穫されてます。
そうなってくると、新米で尚且つ、特A評価のお米はないということになります。
特Aだから美味しいのは当たり前ですが、年を越してしまえばもう新米とは呼ばれないことも頭に入れておきましょう。 (以前、表記が間違ってましたので訂正しました。お詫びします。)
ーどうやって美味しいお米を見極めるか?ー
お米には、お米マイスターと呼ばれる認定資格があります。
新米が出荷されたと同時に、5つ星お米マイスターは味を確認を厳しくチェックし、お客さんの好みに応じた美味しいお米だけを勧めています。この5つ星マイスターが推薦するお米は、概ねその年の特A評価を獲得するお米が多いのも事実なのです。
また、もともと出荷量が少なく、もともと食味ランキングの対象になってないのですけど、その世界ではレアなお米というのもあり、5つ星マイスターはそれらの品種にも詳しく、彼らの評価を信じてお米を買ってみるのも面白いですね。