惜しくも100を切れなかった後輩君。
彼が100を切ったのは、たった一つのアドバイスであれから数ヶ月。
初回の【開眼編】に続き【100切り編】では、アスリートゴルファーの道に邁進していく彼の姿を紹介している。
-100の切り方を教えてもらう!-
ある日、先輩に連絡をしてみた。
この時の先輩の一言が100を楽勝で切れるヒントになったのである。
その時のやり取りを紹介してみたい。
{私}:「先輩。あの時の練習をずっと続けてるんですけどまだ100切れないです。何でですかね?」
毎週時間を見つけては練習場通いを続けているにも関わらず、中々100が切れな
い悶々とした日々。欲求不満が爆発しそうになり、教えてもらったことが本当に
正しいのかさえ疑うようになっている。疑心暗鬼な自分がいたのだった。
{先輩}:「そのまま続けているんだ?それでちゃんと当たるようになったの?」
{私}:「当たるようになっているんですが、あれから5ラウンドしてまだ100切れてないんですよ。シビレるくらい良いショットも出るようになっているんですが???」
{先輩}:「クラブはあのまま?」
{私}:「そうです。」
{先輩}:「サンドとアプローチは変えてないんだよね?そのままでも良いんだけど、せっかくだからウェッジ新調してみない?タイトリストのボーケイccなら一本2000~3000円程度で中古でもあると思うから。」
{私}:「何で?」
{先輩}:「あの時打感とスピンが全然違うの分かったよね?56度と50度2本買って同じ練習してみなよ。その時ハーフショットのキャリーとフルショットのキャリーをしっかり把握しておくことだけ忘れないようにね!」
後日、言われるがままにボーケイウェッジ2本を調達。早速練習開始である。(写真はタイトリストSM6カスタム)
56度がハーフショットでキャリー60ヤード。フルショットでキャリー90ヤード。
50度がハーフショットでキャリー80ヤード。フルショットでキャリー105ヤード。
この練習を続けてまた先輩に連絡してみた。
{私}:「言われた通りに練習してキャリーが分かりました。」
{先輩}:「じゃあ、もう100ヤード以内は安心だね?後は振り幅だけだからキャリー10ヤード刻みでトップの位置とフォローの位置変えて練習してみなよ。」
{私}:「トップ9時を8時とか、フォロー3時を12時とかにしてキャリー確認すれば良いんですか?」
{先輩}:「そうだよ。100ヤード以内を完璧に鍛えれば、100なんか楽勝だし、80台だってスグに出せるから。オマケにパット数まで減るからやってみなよ。」
言われるがままに練習して、何とかキャリーの距離感を身に付けたのではないか?と思えたある日のラウンド。
100ヤード以内のアプローチがビシビシ決まりピンに絡んでいくのである。
パーオンは中々しないまでもこの日87をマークした。正に青天の霹靂である。
「先輩、100切りました!それも90まで切って87の自己ベストです!」
-何を練習すれば100を切れるか?
それを知ったら自分が大きく変った。-
後から先輩に言われたことは、ゴルフはパット数が半分、パーオンまでが半分で組み立てられている。
パット数を減らせば、必然的にスコアは良くなるしOBさえ気をつければ大きく崩れることも無い。
そのためにはアプローチ。特に100ヤード以内の精度を上げることがスコアップの近道だということだった。
2000円PWはショットの基本を作るための道具として買ったもの。
ドライバーもアイアンも、教えてもらった基本に忠実なスィングを心掛けているから、そこそこ打てるようになっている。
その基本に忠実にウェッジを得意クラブにして、正確な距離を刻むのがこの時の課題だった。
この時、落ちてからの転がりを極力計算出来そうな道具を選ぶことの大切さを知った。
(写真はクレイジープロトタイプウェッジ)
サンドとアプローチウェッジが自在に操れれば、100ヤード以内に何打で届かせるかを逆算すれば良い。
今の自分なら、400ヤード以上のミドルホールだって2打で100ヤードエリアに置きさえすれば良い。
カップに入れるつもりで打つわけではないと思うと、かなり気楽になって、楽なゴルフが出来るようになってきた。
バンカーショットだって、アプローチを色々試しているうちにロブショットのようなものだということが分かったし、アドレスの時のボールの置き場所で、出球の高さの違いも少しずつではあるがコントロールできるようになってきている。
一番の副産物は、基本を最初に練習したからOB以外で大叩きをしなくなったこと。
ティーショットのOBは仕方無い。飛ばなくても心配無い。
グリーン周りの往復ビンタは全く無くなり、ノーカンアプローチも無くなっていた。
いつでも100を切れる自信が持てたのがこの87だった。
-欲張り始めた自分。飛距離を追求し始める!-
アイアンは、過去の自分に決別するためにも新調することした。
マッスルにしようとも思ったが心配だし、次回クラブを買うときは新品にしよう。
それでも、ちょっと背伸びしてタイトリスト714AP2の6本セットに。これを機会にクラブを一新。
UTもタイトリスト。FW、DRもタイトリスト。オマケにパターもキャメロンに!
(写真はS
キャメロン クラシック1)
キャディーバッグもタイトリストで、イキッたエセタイトリスターが誕生していたのだった。
ドライバーのタイトリスト914D2は打感も良く、何一つ文句の付けようが無い。大きな曲がりさえなければ、いつでも100は楽勝で切れるようになっていた。
そして、一丁前にクラブの薀蓄まで語るようになっていたある日の事。
最近では、職場の同僚にもゴルフを誘われるようになり、スコア的にも見劣りしないレベルにはなっていると自負していた時だった。
どうも、周りよりヘッドスピードだってあまり違わないのに飛距離が10ヤード以上遅れている。
元々スライサーだった自分とゴル友の弾道は間逆。
ドローとスライスの戦いに同じヘッドスピードで勝ち目は無い。
914-D2は決してドローが打てないドライバーではないはずなのに、少し擦り気味の弾道はスライス回転で曲がる時は大きく曲がるし、極端に風に弱い。
風に流されたり、擦ったりでOBを極端に軽快していたため、だんだんドローボールに憧れる自分がいた。
「俺もドローで飛ばしたいなあ・・・。どうすれば打てるんだろうか?」決してスライスが出ないと噂の試打クラブを借りて、練習場に持ち込んではみるものの全くドローボールが出ない。
「メーカーの嘘つき!!!」
良くて真っ直ぐ。テレビでプロが打っている、右に出て真ん中に帰ってくるキレイなドローが打ちたいのに。
-ドローボールを打つ!出逢った一冊の本-
必至になって打ち続けてみるもののドローボールが出ない日々。
ある日、「スタック・アンド・ティルト」というゴルフダイジェストから発刊された一冊に出逢った。
左体重なのに球筋はドロー。
「反対なんじゃないの?左体重ならスライスなんだけど???」
むさぼるように読み、練習場にも持ち込んでスタック・アンド・ティルトを実践。
ドローボールの鍵を握るのは、左体重で右懐を大きく作ってからのクラブ捌きだ。
ということがこの一冊で分かったのに・・・。それでもドローボールがちゃんと打てることは無かった。
「自分のスィングは何かがおかしい?」
たまたま、また出張で東京に行くことになり、上達した自分を見てもらおうと先輩に連絡。
一緒にラウンドした時の事だった。ー
めっきりスィングが変った自分を見て「スタック・アンド・ティルトに変えたの?」すっかり見抜かれている。
「ちゃんと覚えないと大曲りするよ!ドフックに注意しないと!」
エッ!反対なんですけど・・・。(心の中でつぶやく・・・泣)
自分のスライス癖が何となく言い出せなくて、「そうですね!」と強がる自分。
何球か打っているうちに「スタック・アンド・ティルトなのにスライス回転だね!」
ラウンド中に、化けの皮がいとも簡単に剥がされる瞬間だった。
「それでもスライス回転の方がコントロールしやすいなら良いんじゃない?」
先輩!違うんだって!!!
「ホントはドローが打ちたいんですよ!(泣)」
思わず本音を吐露する潔い自分(笑)
-たった一箇所治すだけでドローヒッター誕生!-
スライスしか出ないスタック・アンド・ティルトは、あっさり先輩にスライスの原因を見抜かれた。
ニヤニヤしながら先輩に指摘された一箇所。
そこを治すだけでドローボールが出始めて破顔一笑になったのだった!
スタック・アンド・ティルトは左一軸のボディーターン。
左体重で始動することにより、右に大きな懐を作ってハーフウェイダウンを長く作れるのでヘッドコントロールし易い。
ところが、この懐を有効に使えてないばかりか、コックが早くほどけるとめにスライス回転になることが分かっていなかったのである。
ボディーターンでボールを捕まえやすくなるのはずなのに、なぜスライス回転なんだろう?
その理由はこうだ。
{先輩}:「ボディーターンは練習の賜物で出来ているのに、スライスしか出ない理由が分からないんだろう?」
図星だった。
「トップの位置がバラバラだよ。見た瞬間分かったヨ。(笑)手首が折れて、トップの切り替えしで手打ち状態になってから、コックが早くがほどけるから、アウトサイドインに下りてきて窮屈になってるんだよ。
スタック・アンド・ティルトに限らず、左親指にシャフトのしなりを感じて振り下ろしてみなよ。今は親指と人差し指のVの字にシャフトが乗ってるからカット軌道になってスライスするんだよ。」
言われたとおり、左親指でシャフトのしなりを感じてクラブを振り下ろすとアラ?不思議。
ドローボールでこの日最長飛距離270ヤードをマーク。
キレイな放物線はドロー回転でキャリーとランを稼ぐのだった。
これに味をしめた自分に最初の先輩の一言が的中した。
ど引っ掛けが出たのだ。
練習していたとは言え、スタック・アンド・ティルトはまだ日が浅い。
上手くタイミングを取らないと大曲りする諸刃の剣を露呈したのである。
ちょっと自信を無くしかけていた自分に、
「それでもよくここまで成長したな!?スタック・アンド・ティルトは逆ハの字アドレスで左肩を落とし気味に入れていくから、スクエアアドレスより捻転が深いんだよ。そこを上手くコントロールしないと大曲するから。捻転足りずのド引っ掛けと振り遅れプッシュアウトが鬼門だね。ちょうど、中間で体を回す感覚だけは練習して身に付けないとな!」
「先輩。自分もっと飛ばしたいんですけど・・・」
-ドライバーを変えるゾ!そしてもっと飛ばすゾ!-
タイトリストのドライバーに不満は無いのだが、ドローが打てるようになった自分には、もっと飛距離欲が芽生え始めていた。
(写真は飛距離性能抜群。工房専用ヘッド装着のブリジストン J015)
「先輩のドライバーちょっと打たせてもらえませんか?」
「以前のお前なら貸さないけど、今なら良いよ。」借りたクラブは、
エポンAF103。
決してバカッ飛びするクラブではないのだが、しびれるほどの打感の良さにビックリ。
今までも名前だけは聞いていたエポンの初打ちは、すっかりその打感に魅了されてしまったのだった。
タイトリストの打感はどちらかというと弾く感じ。打感が硬いわけではないが、弾きの中に柔らかさが覗く程度。
反対にエポンの打感は、スポンジボールを打っているようでいて、ズシリとした心地良い重量感と弾きを感じるし、最後までボールを操れるようなくっ付き感がした。
「これが地クラブの雄なんですね?スゴイ!」
自分の周りにも地クラブを使っている人はまだ居ない。テーラーやキャロウェイ、ダンロップにミズノなどのメーカー品ばかり。
ハナからミズノ、ダンロップは飛ばないと決め付けていた自分は、飛ばないクラブを使っているゴル友にドローボールで置いていかれる。
ホゾを噛むような思いで、今やっと手に入れたドローボール。
捕まった良い球筋で、今までの擦り球とは違う打感をしっかり味わっている自分にとって、新たな道具選びの新境地が見え隠れするのだった。
-今では・・・カスタム初挑戦!地クラブドラを新調!-
カスタムメイドの地クラブは、組み方を知らなければ作れないんじゃないか?
歴の浅い自分には遠い存在と思って敬遠していた。
でもそれは違っていた。
自分のスィングや球筋さえ知っていれば、クラブ知識はそんなに無くてもカスタムは出来るということ。
スィングがバラバラでは、クラブ知識があってもカスタムの意味が無いことを知る。
スィングや球筋を工房に話して、最適なスペックを設計、仮組みしてもらう。
近いスペックの試打クラブがあれば、それを打ってみて、打感やシャフトやヘッドに対しての希望や細かい相談をする。
そんな中絞り込んだ末の候補が3つのヘッドだった。
グランプリワンミニッツG57と
D63。G57はシャロー気味でタイトD2に近い。
D63は打感が素晴らしくディープヘッドで少しタフだった。
そして、散々迷った挙句、クラフトマンの提案を少しずつ詰めていって完成したのが
バルド568LCだった。
ウェイト調整が出来るのでオールシーズン使える。
タイトより少しヘッドが小さい440CCだけど、構えた時に小さく感じなかった。
今までよりも20ヤード以上は伸びているのではないだろうか?
打感も先輩のエポンAF103に勝るとも劣らない良さ。
何と言っても所有感抜群である。
最近では、一人予約もヘッチャラ。100を叩くことはまず無い。
自分のスィングのどこを治せばどうなるのか?
基本中の基本が分かるとラウンドの最中でもある程度の修正が効く。
クラブだって自分好みの一本が作れる。理屈と体を一体化出来れば怖いモノ無しなのだろう。
まだまだ体に覚えこませなければならないメソッドが山ほどあるし、知らないことも沢山ある。
考えながら、トライアンドエラーをこれからもずっと続けていくんだろう。
あと少し!自ずとシングルの道も開かれん!
日々張り切っています。
僭越ですが、小生が欲しいクラブを中心に紹介する
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